焙煎職人のひとりごと

平成5年から玄米を焙煎し、このように数十年続けてこられたのは、お客様と関わっていただいた
皆様のお陰です。感謝申し上げます。深い感謝と共に、焙煎した玄米の素晴らしさや、
日本食の素晴らしさや、食養の豆知識など様々な情報をお届けします。

いにしえから現代、そして未来へと続く日本の慣習と伝統を生み出すお米の加工品

 

日本人にとってのソウルフードと言えばやはり“お米”。

縄文時代からはじまった稲作が弥生時代に広く普及し、当時の人々の食生活を支えました。
その流れは現代にも受け継がれ、日本の食卓には白米が欠かせないものとなっています。

また、日本人はお米にさまざまな加工を加え、より幅広い味わいを生み出しています。

そこで今回は、お米を使ったさまざまな加工品を取り上げます。

祝い事には欠かせない“日本酒”

お米の加工品として大定番とも言えるのが日本酒。飲んで楽しむのはもちろん、祝い事や儀式など、さまざまな場面で登場することも多いです。

なお、はっきりとした時期は定かではありませんが、稲作が定着した時代にはすでに日本酒が造られていたのでは?
という説もあるほどです。

なお、今は自動化が進み機械的に作られることもありますが、まだまだ酒造りは杜氏や蔵人の成せる業であることに違いはありません。

お米、麹、酵母、水が絶妙なバランスで調整されることでできあがる日本酒は、その名が示すとおり日本ならではの食であり文化であると言えるでしょう。

なお、日本酒造りにはいくつかの工程があります、まじは精米されたお米を純水な炭水化物にしてから蒸し、コウジカビを入れて冷やすことで麹がつくられます。

次に、蒸したお米へ麹と水、酵母菌を加え、日本酒の元になる酒母が完成。

その後、酒母に麹とお米、水を追加して発酵させ、もろみを作ります。

最後はもろみを熟成させお酒をと変身させていきます。
期間にして約100日。たくさんの人が関わりあいながら、日本酒は造られていきます。

お茶うけには“おせんべい”

日本茶と相性も抜群なおせんべいは、起源をさかのぼると縄文・弥生時代にまで至ります。

縄文遺跡の住居跡だけでなく、吉野ヶ里遺跡、登呂遺跡の住居跡からも穀物を潰し、焼いた餅が出土しているのだとか。
そう考えると、日本人にとってはかなり昔から馴染みのある食べ物と言えるでしょう。

なお、もともとは余ったお米や穀物を長期にわたって蓄えておくための保存食だったと考えられています。

おせんべいの作り方は、精米したお米を洗い、水に浸すことからはじまります。

その後、細かく砕いて粉末状にして蒸していきます。この際の蒸し具合というのは、熟練の職人による勘が頼り。

丁度良いタイミングで取り出し、練った後で水を使い冷やします。十分に冷えたら記事を伸ばして型抜きを行い、時間をかけて乾燥させます。

しっかりと生地から水分が抜けたら、網の上で焼いていきます。

両面を丁寧に焼き上げた後は、まだ熱があるうちに味付け。
刷毛を使いながら醤油などを塗っていき、私たちの食卓に並ぶおせんべいが完成します。

日本料理の味付けの基本“味噌“

お米と同じく、日本の食卓に欠かせない調味料と言えばやはり味噌です。

だし汁と合わせて味噌汁にしたり、炒めものの味付けに使ったり。ときには直接食材につけて楽しむことも。

日本人にとって、非常になじみ深いものと言えるでしょう。なお、起源については中国伝来説と日本独自説の2つがありますが、いずれもかなり昔から造られてきたといい点では一緒です。

味噌は大きく4つの種類に分けられます。
その中でも注目したいのが米味噌と調合味噌。

実はこの種類の味噌の原料にはお米が使われています。意外に知られていませんが、味噌もお米の加工品なのですね。なお、その他は麦味噌や豆味噌があります。

米味噌の原料は米と大豆、塩。大豆に米麹を加えて作ります。

ちなみに、白味噌も米味噌のうちのひとつ。なお、味噌の甘味は米麹の量によって決まります。
ただし、成熟期間が長くなると酵母や乳酸菌が糖分を消費し、甘さが減ります。

現代人の健康食“玄米コーヒー“

最後はちょっとだけ変わり種を。

近年話題になっているのが玄米コーヒーです。
ただし、コーヒーという名前はついているものの、原材料はまったく別。玄米を黒くなるまで炒めたものを粉末にし、そこにお湯を注いでできたものが玄米コーヒーです。

コーヒーと似ている、とまでは言えませんが、独特の苦みと香ばしさは癖になる味わい。
加えて、健康や美容によいという点も見逃せないポイントです。

栄養補給や冷え症改善、便秘解消、免疫力向上といった体に嬉しい効果が得られると共に、ダイエットや美肌、白髪改善といった美容効果も期待できるため、女性からの人気が高まっています。

また、子宮を温める効果があるとのことで、妊娠を希望される方にはぴったり。
そもそも本物のコーヒーは子宮を冷やす効果があるのだとか。

もしも普段からコーヒーを好んで飲んでいる方は、玄米コーヒーに置き換えてみてもよいでしょう。

まとめ

日本人は非常に昔からお米を使った加工品を食しており、今なお定番として私たちの食卓に彩りを与えてくれています。

近年では、最後にご紹介した玄米コーヒーなど新たな活用法なども登場。

今後も、さまざまな加工品が登場することでしょう。
日本酒やおせんべい、味噌などを食べる時は、ぜひ今回ご紹介した情報を思い出してみてください。

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